Thought of the Day

本業はSE、趣味は万年筆集め、模型作り、ギター改造なおっさんのブログです。

「聲の形」

Twitter週刊少年マガジンの読み切り作品が凄いという情報を得て、とりあえず買ってみました。週刊少年マガジンを買うのは生まれて初めてです。

 

ストーリーは・・・実物を読んでください。金を払って。そうすることで、漫画家さんを取り巻く環境がまともになるかもしれませんから。

 

# PCソフトとか音楽関連にも同じ事が言えます。

 

以下、ネタバレになるので注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が感心したのは、ヒロイン?の硝子(耳が聞こえない)が転校してきて、クラスに溶け込もうと努力をするものの、合唱コンクールがきっかけでイジメが始まり、別の学校に転校していくまでの過程の描き方の巧さです。

 

同級生や担任の嫌らしさがリアルで不愉快極まりないです。他人と会話するためのノートに書かれる文字が、最後のほうは「ごめんなさい」だけになるところは、辛いです。

 

また、主人公?がイジメを受ける側になって、硝子が何を考えていたのか、どんな思いをしていたのかを考え始めて、答えが明示されていないのも素晴らしい。

 

この作品は、読み手自身に対して、思考することをさりげなく、自然に促しているんです。反響が大きいのもそこに理由の一つがあるのでは、と勝手に考えています。

 

硝子が良い子すぎるという意見もあるようですが、虐げられる側からはキング牧師みたいな存在も生まれれば、マルコムXみたいな存在、イライジャ・ムハンマドみたいな存在も生まれるわけで、自分は不自然だとは感じませんでした。まぁ、自分みたいに憎しみに囚われて精神的に歪むのがほとんどでしょうけどね。

 

コミュニケーションを取るためのノートを池に投げ捨てられても、友達になろうと試みた硝子が、主人公と殴り合いの喧嘩をする場面は重要なポイントの一つでしょう。

 

最後は高校生になった主人公が硝子と再会する場面で終わります。ここも全てをチャラにするのではなく、5年前にできなかったことがやっとできた、というような表現にしています。スタートラインに戻っただけなんです。

 

個人的には、イジメられる側になった主人公が、硝子が毎朝早く来てイタズラ書きをされている主人公の机を拭いてくれていた事実に気づいて涙を流す場面が印象に残っています。ただ立場が逆転するだけではダメなんですね。

 

作者は19歳のときにこの作品(掲載されたのはリニューアル版)を描いたそうです。いったいどんな人生を歩んできたのやら。

 

近年で稀にみる傑作だと思います。