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Thought of the Day

本業はSE、趣味は万年筆集め、模型作り、ギター改造なおっさんのブログです。

helico シュクル アイドロッパー型(試作品)

文房具

今回はやや辛口に書きます。

 

賞賛や同調ばかりじゃ堕落するだけですからね。

 

あくまでも個人的な意見なので、他の見方もあるでしょうし、私が間違っている可能性も大いにあります。まぁ、何にせよ、情報を自分の頭で考えて消化するのが知性であって、情報をただ鵜呑みにするのは知者の行いではありません。

 

さて、今回取り上げるのはhelicoのシュクルです。神戸のペンショーではかなりの賑わいを見せていました。私が会場に到着した昼過ぎにはかなり商品は少なくなっていました。

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このシュクルは通常品と違います。レンチを差す部分があったり、

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首軸が外れません。

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こんな構造になってます。レンチでネジを外して、そこからインクを入れるわけです。

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会場でアイドロッパー型を買われた方にはインクを入れるためのシリンジもついていました。が、私の分はなし。orz これにはかなりガッカリさせられました。使うのに必要なものがついていないのは、商売としてどうなのかと。

 

後から送るとか、少し値下げするとか選択肢はあるよな~と商売人の息子としては思います。2万円以上する製品なわけですし。対応の部分も含めて、プロではないなと残念に思いました。

 

結局、通販でいろいろ買って、10本目(笑)にして合うシリンジが見つかりました。大手ならネットで仕様がわかるんですが。画像の3本セットの、一番小さいものが針の太さが0.5ミリで何とか使える感じ。針がもう少し長ければ・・・って、もうシリンジは買いませんよ?

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キャップを後ろに挿したところ。

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ペン先にはhelicoのマークがついています。字幅はMにしては細めですが、なめらかさはあまり感じられません。少し研磨をした方がいいかもしれません。ペンハウスで売るものも同じペン先にすればいいのに、と思うのは私だけ?

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ペン先の裏。

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他の2本と並べてみました。「モネの庭」(真ん中のやつ)が一番好きです。

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使い始めて気になったのは、新しく買ったものに限らず、キャップ内にインクが漏れ出すこと。エルバンのインクを入れたモネの庭は一切漏れませんが、色彩雫の天色を入れた湧き水(一番上のやつ)と三光堂オリジナルの大須レッドを入れたアイドロッパー型のはケースに入れて置いたままにしていても漏れることがあって、それなりの頻度でキャップを洗う羽目になります。透けるから目立つんですよ・・・orz

 

アイドロッパーの方は、構造上インクを入れるときにペン先から漏れるのは仕方ないです。インクを入れるときは横にしてゆっくり・・・が鉄則です。私が買ったのは試作品なので、正式に売られるときは改良されている・・・といいなぁ。

 

シリンジを差す部分のネジ穴は何かしらの方法で補強するつもりです。仲間のはここからインクが漏れるらしいので。ペン先に関してはペンクリニックで診てもらうのが手っ取り早いかな。

 

シュクルを勝手にコンセプトが似ていると考えるカヴェコのクラシックスポーツと比較してみると

  • ペン先がFとMのみ。
    →カヴェコはEF/F/M/B/BB/CMから選択可能で色や材質も変更できる。
  • 材質がアクリルのみ。
    →カヴェコは真鍮やアルミも選択できる。
  • コンバーターが使えない。
    →カヴェコは専用の他にも使えるものがある。
  • 値段が高い。
    →実用性と機能性を考えるとちょっと割高。

 

実用性と機能性の部分では、カヴェコの圧勝ですね。値段の部分では、同じく手作りを謳う大西製作所や平井木工挽物所の万年筆がえらくリーズナブルに感じられます。

 

helicoの強みは、やはり素材の美しさ。日本国内でこれほど美しいペンを生み出すところはないでしょう。日本国内ではね。

 

前にも書いたように、軸の素材はアメリカから取り寄せているもので、自力で考えて作り出したものではないんですよ。helico製品を礼賛する声を見聞きすると、それは逆に職人さんを苦しめるものになりうるのでは?と勝手に心配してしまうときがあります。酷い書き方をすれば、通販で買った綺麗な素材を加工しているだけですから。

 

万年筆を作って売る以上、どんな理由があれ、パイロットやペリカンといった大手も比較対象になります。他の万年筆を基準に評価されるわけです。それらのメーカーが発売しているペンより高い値段をつけるなら、その値段に見合うクオリティを持たせなければいけません。

 

一人の万年筆ユーザー(オタクではない)としてhelicoさんに求めたいのは

  • ブランク材の自作。
    →たとえば桜の花びらをレジンに埋め込むとか、日本人にしか考えつかない素材が作れるようになれば最高でしょ。
  • インダストリアルデザインの勉強。
    →売れる製品がなぜ売れるのか、持ち歩くことやケースに入れることも考えたデザインを求めたい。

 

 シュクルのデザインは好きです。が、他のはキャップが不格好だったり、ケースにきちんと収まらなそうだったりで、買いたいと思いません。他の工房がアメリカから同じ素材を仕入れて万年筆を作り始めたら、勝負できるのか、ですよ。

 

そこらへんを怠ると、趣味の延長と扱われて終了になります。モノを作って売ることは、甘くないです。そうそう、作り手としてだけでなく、売り手としてもプロになることも大事です。

 

ほなほな。